2010年4月18日日曜日

KPZ方程式はKPZユニバーサリティクラスに入る


昨日開催の第1回数理物理・物性基礎論セミナーに参加して聴いてきた内容です。この研究会は今年から笹本氏たちが立ち上げた統計物理・物性基礎論の情報交換の場で、場所はお茶大の出口さんが提供。なので、お茶大なのですが、正門をくぐって入ろうとしたら、守衛さんに捕まりました。知人は身分証を掲示しながら入ったとのこと。

講演内容は、ASEPとランダム行列の関係が前半、後半はKPZ普遍性の解説と、KPZ方程式の厳密解。前半は、ゆっくりやりすぎて、これじゃ時間的に無理だろうと思っていると案の定時間が足りなくなる。けれど、今まで恐ろしいと思っていたフレドホルム行列式の数値計算での扱い方とかもあり、とっつきやすくなりました。後半のKPZの話は、タイトルの通りで、KPZ方程式(下の式)というランジュバン方程式を厳密にといた。これまで「くりこみ」とかASEPの結果を通して間接的に示されていたKPZ普遍類に、KPZ方程式が入ることを、厳密解で直接的に示したというもの。


KPZなんて二十数年以上まえのトピックではあるのですが、その後の非平衡統計物理の研究成果が積み重なって、普遍性はおろか厳密解まで求められたのは「すばらしい」の一語につきます。(ちなみに、写真は2007年にジェノバでの統計物理の国際会議StatPhys23の会場近くの水族館。)。

彼の講演がおもしろかったので、今学期の数値計算のテーマにASEPとランダム行列を「R」でシミュレーションしてみようかと思いました。悪乗りしすぎかも知れませんが、マジメにやるだけでも面白くないし。

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