2013年1月18日金曜日

基礎からのMySQL

2010年ごろから社会物理の実験をするようになり、最初はface-to-faceで人力で実験、2011年はeRubyでWEBプログラミングによりサーバーを構築してブラウザ経由で実験、そして2012年からはPHPでのWEBプログラミングへの変更と、毎年開発スタイルが変化してきました。サーバープログラムの開発ではCSVファイルでデータを読み書きしながら実験データを蓄積する手法でやっていたのですが、どう見てもスマートではない。たしかに、エラーが起こったときにファイルをすぐに開けば状況は把握しやすいのですが、そもそもエラーが起こることを前提としているのも問題。そこで、MySQLというデータベースへの移行を画策したのが昨年から。

2012年末に行った、「分割選択の実験」では、CSVファイルの読み書きによる古いシステムとMySQLによる新システムの二つのシステムを開発し、可能なら新システムを使う予定でした。研究協力者の日野君による開発は間に合ったようですが、テスト時間がとれず新システムの使用は断念し、古いシステムで実験は実施。しかし、今年からはすべてMySQLを用いたシステムに全面移行する予定です。

そこで、私もMySQLを勉強してみようと考え、読んでみたのがこの「基礎からのMySQL」(西沢)。
基礎からとタイトル通り、データベースをインストールから解説し、複数のスレッドを持った掲示板を作成するところまで解説してあります。わかりやすく、プログラムの解説も丁寧で、私にも理解することができました。PHPをしばらくさわっていなかったので、PHPの復習にもなり、HTMLの最低限の解説もあり、必要な知識はすべて書いてあります。この本一冊でPHPを学ぶとか、HTMLを学ぶのは無理かもしれませんが、データベースを全く知らないけれど、PHPやHTML、Apacheをすこしはかじったことがあるレベルの人なら、データベースを理解し、WEBプログラムとデータベースをどうつなげるのか、理解できると思います。

この本で得た知識をもとに、さっそく競馬データベースをいろいろいじってみようと思います。
非常にいい本です。おすすめです。

2013年1月6日日曜日

物性物理学

3年後期の電子物性論で来年度のテキストに指定しました。これまでは、岡崎先生のテキスト「固体物理学―工学のために」を使っていたのですが、いろいろ不満な点があり、いい本はないかと考えていたときに、簡単でちゃんと書いてある本として学生さんに教えてもらったものです。学生時代に塚田先生に直接習ったことはありませんが、どういう本を書かれるのかという興味もありました。

さまざまな格子でのバンドの計算が簡単なモデルをつかってしっかり書かれているのと、超伝導のBCS理論が、その真空の構造までキッチリ書かれている点がこの本の特色です。特に、後者のBCS理論の説明は、多くの本がギャップができる点を述べてお茶をにごして終わりみたいな点があるのですが、このテキストではいままで知らなかった点も書かれていて勉強になりました。(そのレベルで講義を担当するのはどうか、と自分でも思いますが。)

アマゾンで調べてみると、 黒沢先生の「物性論」を薦めるヒトが多いみたいなので、来年度の講義は、黒沢先生のも参考に超簡単な電子物性論の講義を行いたいと思います。

2013年1月5日土曜日

あけましておめでとうございます

本日1月5日(土)から始動。といっても元旦からプログラムを作っていたりで、単に仕事場が研究室か自宅かの違いでしかありません。しかし、家だと娘が元気で落ち着かないので、研究室はその点いいものです。(左の写真は、昨年のゴールデンウィークで訪れた高尾山から富士山を撮影したもの。)





 今年の目標は3つ。

 1:情報カスケードに関する社会物理実験をまとめ、競馬の経済物理に決着をつける。特に、没になっている論文をこれまでの実験結果をふまえてオッズの時系列データを解析し直しオッズの形成過程を理解したい。予測市場の研究とも絡めて、集団での情報の集約過程を自分なりに理解する。

2:競馬予想で人知に勝つ。 来年度の卒研生がプレ卒研の段階で6名存在し、そのうち5名が競馬予想に興味があるらしい(一人はニューラルネットのアルゴリズム)。それはそれでいいのですが、単にファアクターを増やす、馬のスコアの関数形を2次まで拡張、ニューラルネットの逆誤差伝搬を用いる、などという路線でどこまで競馬のオッズの予想精度迫れるか、も今年で終わりにしようと考えています。どこまで頑張ってもオッズに勝てないなら、その精度の差に「集団知」はあるのでしょう。そんなものはないことを示したい。

1、2の目鼻がついたら、競馬の物理で本にまとめたいと思います。読者をどこに設定するのか難しいですが。社会物理学なのか競馬予想なのか、 専門家向けなのか、一般向けなのか。

3:入江君と日野君に論文を書かせる。今年修士2年になる入江君、昨年後半から博士が欲しいと実験のサポートに入ってくれた昔の卒研生の日野君。私は修士論文とか博士論文はどうでもいいのですが、せっかくいっしょに研究をしているので、それぞれの主著者の論文を完成させたいと思います。(しかし、二人の英作文の能力は?頭が痛い。)

ということで、これまでと同じくジタバタする一年になりそうです。今年もよろしくお願いします。