2010年7月30日金曜日
The Catcher in the Rye
ケアンズの出張中にで読んでいた本。原書ではなく、村上春樹訳のもの。いわゆる「ライ麦畑でつかまえて」ですが、タイトルには、英語+「キャッチャー・イン・ザ・ライ」だけ。
攻殻機動隊のStand Alone Complexで、アオイが自問自答した 『I'd pretend I was one of those deaf-mutes(+should I?)』というフレーズが気になったので読んでみました。読めば読むほど、アオイ少年と本の主人公ホールデンが重なる。ホールデンの口調がアオイ少年と非常に似ていて、ホールデンが「少佐以上の」超A級ハッカー(クラッカーが正しい)なら、アオイになるのだろうと、勝手に思いながら読みました。(また、アニメではトグサとアオイの印象が妙にダブっていたのですが、Wikipediaに『「笑い男は若い頃のトグサのような人間なのだろう」と意識しながら演じたという。』という山寺氏のコメントを見つけ納得。)
妹のフィービィーに、「ライ麦畑でつかまえたら」を「『ライ麦畑で出会ったら』っていうのよ」と教えられる場面が後半にあります。そのとき、ホールデンは『・・・何千人もの子供たちがいるんだけど、ほかには誰もいない。つまりちゃんとした大人みたいなのは一人もいないんだよ。僕の他にはね。それで僕はそのへんのクレイジーな崖っぷちに立っているわけさ。で、僕がそこで何をするかっていうとさ、誰かその崖から落ちそうになる子供がいると、かたっぱしからつかまえるんだよ。・・・そういうのを朝から晩までずっとやっている。ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ。I'd just be the catcher in the rye and all. 』
攻殻機動隊の「笑い男事件」がなければ、読まなかった本ではあります。「若いときはこういう風に感じていたよね」的な共感は感じられる本ではあり、まったくつまらない本ということはないです。村上春樹氏の解説は読んでみたかったですね。「著者の要請により、それが不可能になりました」という末尾の一文は残念です。
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