ある数以下の素数がいくつあるのか。10以下なら2,3,5,7の4個という風にx以下の素数の個数をπ(x)と表すとする。この素数の個数を表す関数π(x)の公式を導いたのがリーマン。その公式は、ゼータ関数ζ(s)のゼロ点ρに関する和が含まれている。リーマン予想とはそのゼロ点ρのうち、(負の偶数ではない)非自明なものの実部が1/2だというもの。リーマン自身は素数の個数の公式(図参章)を導いただけで満足していたみたいで、リーマン予想の部分は自分では証明できないけれど、公式には何の関係もないといってスルー。現在でも証明されていない。
このリーマン予想を丹念に、歴史的な背景も含めて解説した本です。文句なく面白い。後半の量子カオスとの関連とか、コンヌの非可換幾何との関連部分はよくわかりませんが、リーマンが導いた公式(図参照)の証明は、その大部分がトレースできるのが読んでいて非常にうれしくなります。
数学は私も好きな分野ではあるのですが、数学科の講義に出ると、ごく一部のハイパー優秀な数名と、その他大勢の普通に優秀な人に明確に分かれるシビアなところでもある。なので、私は数学(素粒子も)の研究者になることはありませんでしたが、憧れはいまでもあります。その点、物理は役にたつかもしれないけれど、なにが面白いのでしょう。そこが分からず物理学科の講義はほとんどサボったため、いま物理を教えるのに苦労しています。
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