2010年10月23日土曜日

のぼうの城


爽快。読後感はこの一語に尽きます。

石田三成VS成田長親。三成は有名ですが、成田長親の名はこの本で初めて知りました。秀吉の小田原・北条攻めで、関東の北条配下の地の掃討戦を任された三成。その前に立ちはだかったのが、今の埼玉県行田市の武州・忍城。この本は北条氏の降伏まで白旗を上げることなく奮戦した忍城の様子を描いたものです。

忍城の城主・成田氏長は秀吉に通じ、秘密裏に開城し降伏せよと命じて自らは小田原城につめてい。しかし「のぼう様」こと長親は三成軍の態度に我慢がならず交戦に決定。三成率いる豊臣軍の力攻め、水攻めを跳ね返してしまう。その様の痛快かつ爽快なこと。

最後に開城の使者として三成が忍城の面々と会うのですが、そこでの三成の発言。
「この忍城攻め、当方には甚だ迷惑ながら、坂東武者の武辺を物語るものとして、百年の後も語り継がれるであろう」「よき戦にござった」そして、陣に戻る途中、大谷吉継に「負けた、負けた、完敗じゃ」と叫ぶ。

映画化がきまっているそうです。野村萬斎さんと「のぼう」様のイメージが合わないのですが、楽しみです。

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