大学4年の卒業研究で神部先生の流体力学の研究室を選択しました。当時(1990年ごろ)の理学部物理学科は夏学期と冬学期で理論と実験などの2研究室でゼミや実験をやるというものでした。素粒子論の研究室にするかどうかで迷ったのですが、いろいろ考えて流体力学の研究室にしました。その神部研究室で助手をされていたのが、本書の著者の下村先生。いっしょにカオスの本を読んでいただいた記憶があります。学会誌でこの本のことを知ったとき、そうした縁もあり、また内容も楽しそうなので、読んでみました。
内容はサブタイトルの「回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか」を6年にも渡って研究してきた過程が記されています。よくもここまで細かな点まで覚えているなと感心するぐらい詳細に研究の過程が綴られています。これだけ研究がうまくいっているのを読まされると、面白い本だとは思うのですが、うらやましくもなります。私も競馬研究で2本目の論文をまとめているところですが、ネイチャーはおろかPRLでも無理でしょう。努力が足りないのか。
しかし、慶応は2年間のサバティカルで海外に出られるのは羨ましい限り。私のいる大学は、大学の研究費で海外に出ることも禁止なのに。(これは愚痴です。研究費そのものは結構あるのに、理論屋には使い途がない。)
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