オークションでのホモ・エコノミカスの振る舞いに関する理論的な研究と、それに基づくホモ・サピエンスの振る舞いの理解を与える本です。というと、意味不明ですが、経済学的に合理的に振る舞うのがホモ・エコノミカス、いじわるだったり、感情に流されたり、理解していなかったりするのがホモ・サピエンスで、経済学はもともと前者を対象にしてきたのですが、最近は後者の本物の振る舞いを扱うのが流行っている。
この本は、オークションのいろいろな形式の紹介から始まり、ビッカレーやeBayなどの2位価格オークション(落札者が払うのは2番目に高い入札価格)や一位価格オークション(落札者は自分の入札価格を払う)で、買う側は入札価格をいどう選べばいいのか、とか、売る側はどういう開始価格や最低落札価格を選べばいいのか、といった問題を扱いつつ、理論的にはどのようなオークションシステムでも、売り手の得る収入は等しくなるといった「収入同値定理」の解説(付録ではその証明も)を行っています。
オークションでの人の行動を記述するアイデアを学ぶのはいろいろと楽しいです。1章を読んでから付録のAを読んだほうがいいでしょう。
業務連絡:F君、この本を渡すので月曜の報告会でネタがないときにでも発表すること。付録Aをみなに分かるように。
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